おばさんジャズ流行の原因とは
とりあえず前ふりだな。最近の売れてるジャズは「おばさん」ばかり。50代60代なわけです。なぜってそりゃああ、、、新人売り込むよりもベテラン売りこむほうが安く済むということでしょう。企業の論理ですね。
新人を育てる時間とお金は出したくないのが会社というもの。即戦力がジャズにも重要ということかも。ジャズミュージシャンの高齢化もかなり進行してて徐々にジャズミュージシャンの死が増えてきている。世代交代の激しい波がすでに来ている。
そんな中、、女性特有の「しぶとさ」がここにきて大きな波になってきている。
男性は意外とぽきっと折れやすい。ジャズにおいてもしたたかなのは女性のジャズミュージシャンである。人数は少ないがどっしりと構えて活動を継続している。
男性の場合には「破滅型」が多いのが特徴である。そんな男の弱さをせせら笑うかのような女性がイリアーヌなのである。こればかりはもうだれも批判ができない。
イリアーヌの場合にはジャズ、クラシック、オペラ、ボサノバと軽快にジャンルホッピングできる。こんな芸当はマイケルブレッカーたちの男性陣には不可能。
イリアーヌのボーカルアルバムを体験するたびにいつも思うのは「女性の怖さ」である。歌詞の中できっちり「新しい愛の出会い」を高らかにアピールする。
離婚などたいした問題ではない。音楽という大海原においては常に「愛の波動の赴くままに」生きる。それがイリアーヌの「メンタルタフネス」なのかもしれない。
ヘビーメタルビーバップとは実は「弱い男の遠吠え」だったのかもしれない。
空虚なマッチョサウンドを遠くから見て微笑んでいたのはイリアーヌ本人だったのかもしれない。
ドアーズの「ライトマイファイアー」のイリアーヌによるカバーは、、個人的にはこう聞こえたのだった。「私の肉欲にキーを差し込んでエンジンをキックスタートさせて」。アンニュイな熟しきった声で歌われるともうこれは酒池肉林ジャズなのである。